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麻酔・手術に関して④~避妊手術~

こんにちは!

院長の木村です✨

 

前回は去勢手術だったので、今回は避妊手術についてのお話です。

 

まず避妊とはメスの卵巣を摘出する手術のことを指します。

 

避妊手術には二通りの方法があります。

・卵巣・子宮全摘出

・卵巣摘出

避妊手術の目的は女性ホルモンを分泌する卵巣の摘出であり、子宮を残した場合でも悪さはしません。

卵巣摘出であれば傷口も小さくなりますので当院では卵巣摘出を採用しております。(子宮に異常がある場合は全摘出します)

 

避妊の時期については去勢同様、当院では生後6か月以降から手術可能となっております。(大型犬の場合は成長期間が長いためもう少し遅めの時期を勧めております)

 

次に以下に手術のメリット・デメリットを説明していきます。

 

【避妊手術のメリット】

 

・卵巣・子宮疾患の予防・・・卵巣腫瘍や子宮蓄膿症といった病気の予防効果があります。特に子宮蓄膿症は出産経験のない中年齢以上の動物に多い疾患であり、早期に外科的な処置が必要となる緊急疾患です!

 

・乳腺腫瘍の発症予防・・・乳腺腫瘍の発症も女性ホルモンとの関係性がわかっている疾患です。早期に避妊手術を行うことにより発症予防が期待できます!猫ちゃんでは乳腺腫瘍の9割ほどが悪性(乳がん)と言われております😢(わんちゃんは5割と言われています)

 

         ~乳腺腫瘍の発症予防率~

 

・望まない妊娠の予防・・・近年は室内飼育が多くなっているため、間違えて交配してしまったということは少なくなっております。ただ、外飼育の猫ちゃんやノラ猫ちゃんでは未だに大きな問題となっております。不幸な動物さんを増やさないためにも避妊手術や去勢手術が重要となりますね。

 

・性行動の抑制・・・猫ちゃんの発情期(春先)によく鳴いたり、脱走してしまうことがあると思います。また、わんちゃんでは陰部からの出血(発情出血といいます)やオスに追いかけられてしまうといったことも予防することができます。

 

・偽妊娠の予防・・・いわゆる想像妊娠というものですね。おっぱいが張って、母乳が出たり、おもちゃを子供のように可愛がったりといった行動がでることがあります。それだけではなく食欲・元気といった調子が悪くなってしまう動物さんもいます。避妊手術は偽妊娠の治療・予防効果があります。

 

 

【避妊手術のデメリット】

 

・全身麻酔・・・短時間の手術ではありますが、全身麻酔が必須です。もちろん麻酔リスクを評価するために検査も必要となります。

 

・縫合糸へのアレルギー反応・・・傷口を閉じるには腹筋、皮膚の下、皮膚に縫合糸を使用して縫わなければなりません。体にとって糸は異物となるため、糸に対してアレルギー反応(炎症)が発生する可能性が極めて低い確率であります。

 

・術創の離開・・・避妊手術では腹筋を開けて手術を行います(開腹手術)。腹筋は専用の糸でしっかり縫合するのですが、低い確率で糸が緩んでしまうことがあります。

 

・尿失禁・・・いわゆる尿漏れです。特に中型・大型犬で問題となることがあります。避妊手術で女性ホルモンがでなくなることにより、尿道を締める筋肉が緩みやすくなってしまいます。治療法がないわけではなく、女性ホルモン剤や漢方による治療で改善が期待できます!

 

・肥満・・・避妊を行うことで基礎代謝が低下、また食欲は増加する傾向になります。そのため避妊後用の食餌や減量食でケアが必要となります。

 

・子供を残せない・・・生殖能力がなくなるため、子供を残せなくなります。しっかりご家族で話し合って下さい。

 

こういったメリット・デメリットを考え、ご自分の動物さんに避妊を行うべきかどうか家族会議してもらうと良いかと思います。

 

 

また、当院では動物さんの痛みを極力無くすように努めております!!

具体的には、、、

 

・麻酔~手術前後に複数の鎮痛剤の使用・・・消炎鎮痛剤や神経に作用する鎮痛剤を使用します。

・局所麻酔薬の使用・・・手術部位に局所麻酔薬を投与しています。

・術後鎮痛剤の使用・・・手術から48時間は痛みが強いと言われております。その間をカバーできるように消炎鎮痛剤を処方しております。

 

避妊を検討されている方、不安がある方はお気軽にご相談ください。

 

 

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