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先天性動脈管開存症のわんちゃん

こんにちは!獣医師の木村です。

今回は心臓病のわんちゃんのご紹介です。

 

患者はゆめちゃん、ミックス犬3歳です。

生後まもない頃から心臓の異常を指摘されており、内服で様子見となっていたとのことです。

今回は心臓の検査を希望され当院を受診しました。

 

まず聴診では特徴的な心雑音(連続性雑音といいます)が聴こえました。

 

レントゲン検査

 

心臓は大きく、VHSという方法で心臓の大きさを評価したところ、12.7(通常は10前後)とかなりの拡大でした。

 

超音波(エコー)検査

 

エコー検査では肺動脈という場所に血液の乱流がありました。

 

以上の検査結果から、ゆめちゃんは動脈管開存症という先天性心疾患であることがわかりました。

 

動脈管というは肺動脈と大動脈を繋ぐ血管のことで、通常は産まれる前に塞がってしまいます。

動脈管が塞がらないと心臓に負担がかかりいずれは心不全(呼吸困難や咳)となってしまいます。

 

多くの心臓病は治らないことが多いのですが、この病気は手術により完治することができます。

 

今回は知り合いの先生をお呼びして一緒に手術(動脈管を塞ぐ手術)を行いました。

手術は無事に終了し元気に退院しました♪

 

 

術後のレントゲン検査

 

心臓はかなり小さくなっておりVHSも11.2と正常に近づいてきました。

 

 

術後の超音波検査

 

肺動脈の血液乱流は無くなっており、無事に動脈管が塞がったことがわかります。

 

 

 

無事に手術を乗り切り、トリミングでかわいくなったゆめちゃんです♪

 

ゆめちゃんのようなケースは多くはないのですが、

過去に心雑音を指摘された、最近咳が多い、お散歩の距離が短くなったといったことがあるようでしたら心臓や他の臓器のトラブルが起こっているかもしれません。

気になった際は当院にご相談下さい。

 

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