こんにちは！
獣医師の三瓶です。
今回は猫の関節炎について、そして最近出た治療薬についてお話ししようと思います！
早速ですが、普段猫ちゃんと生活をしていて関節炎に気づく機会はありますか？
疫学の報告では
・１２歳以上の猫では９０％が関節炎を罹患
別の報告では
・６歳以上の猫では６１％、１４歳以上で８２％が関節炎を罹患
というデータがあります。
猫ちゃんの寿命も伸びてきましたが、高齢になるとかなりの割合で関節炎に苦しんでいる猫ちゃんがいることを再確認できるデータですね。
次にどこの関節に多いのでしょうか？
１歳以上の猫で調査をした報告では、
・前足や後ろ足のどこかに７４％：特に肘関節、次に膝関節
・背骨に４０％：特に腰の骨
というデータがあり、加齢とともに関節炎の罹患率が増えることがわかっています。
難しいことを書きましたが、要するに
「猫には見逃されている関節炎が多い」
ということが重要です！
ではなぜ見逃してしまうのか？
それは人が思っている関節炎の症状と実際に猫が関節炎になることでみられる症状にギャップがあるからなんです。
実際には
・ジャンプができないあるいは躊躇する
・高いところから降りられないあるいは躊躇する
・階段を登らない
・あまり動かない
・よく寝ている
このような症状がみられることが多いと言われています。
上記の症状をみて、本当は関節炎に苦しんでいる猫が訴えている症状を
「最近歳を取ったからかな？」と勘違いしているかもしれません！
心当たりのある方はぜひ自宅での行動を動画に撮って病院へきてください！一緒に関節炎を見つけてあげましょう！
最後に、最近出た治療薬についてです。
「ソレンシア」
というとても良い薬が発売されました！
この薬は
・海外で２年程前から使用されており有効性、安全性が高い
・腎臓病の猫（ステージ１−２）でも使用可能
・１ヶ月に１回の注射なので投薬ストレス軽減
など、たくさんのメリットがあります。
もしご自宅の猫ちゃん達に心当たりがあればぜひ相談しましょう！
関節炎を見つけて治療することで、また元気に走り回って遊ぶ姿を見ることができるといいですね！
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